こんにちは!
公認会計士・クリエイター特化税理士の三橋裕樹です!
将来の生活に備えて貯金とは別に、
毎月お金を投資している人も珍しくなくなってきました。
でも、自分が思ってもいなかったタイミングで
「いきなりパソコンの調子が悪くなった…」
「プライペートでいきなりお金が必要になった…」
こういうこともあったりしますよね。
そんなとき、仕方なく投資した金額の一部を取り崩すこともあると思いますが、
「譲渡益が出たら税金ってどうなるの?」って気になりませんか?
そこで株式や投資信託を譲渡したときの税務上の扱いについて、
やさしく整理してみました!
投資を始めてみたものの税務上の扱いがぼんやりしているクリエイターさん、
ぜひ読んでみてくださいね!
証券を売ったときの申告は「口座タイプ」で決まる
株や投資信託を売ったときに確定申告が必要になるかどうかは、
取引に使っている「証券口座の種類」によって、ほぼ自動的にルールが決まる仕組みになっています。
そのため、まずは自分がどの口座を使っているかが分かればOK!
ここさえ理解しておけば、今後取り崩すタイミングがあっても不安になることはありません。
具体的には以下のとおり👇
- 特定口座(源泉徴収あり) … 税金を自動で計算して、譲渡額から天引きしてくれる
- 特定口座(源泉徴収なし) … 税金を自動で計算はしてくれるが、申告する必要がある
- 一般口座 … 税金を自分で計算して、申告する必要がある
- NISA … 非課税口座のため何もする必要なし
この4つのどれを使っているかで基本方針が決まります。
ひとつずつ解説していきますね!
◆おすすめ記事


① 特定口座「源泉徴収あり」なら申告は不要
もっとも利用者が多いのが、特定口座(源泉徴収あり)です。
NISA以外であれば、間違いなくこの口座がおすすめ!
特定口座(源泉徴収あり)の場合は、
譲渡益が出た瞬間に証券会社が税金(20.315%)を自動で計算し、勝手に天引きしてくれます。
そのため、譲渡時点で税金に関する手続きが完了し、確定申告の必要はありません。
ただ、この口座で取引をした場合でも、
譲渡損が発生している場合は、以下のメリットを得るために確定申告を行う必要があります👇
- 発生した損失を3年間繰り越せる
- 別の証券会社で発生した譲渡益と相殺できる
申告をするためには、証券会社が自動計算した結果が記載されている「年間取引報告書」を入手し、
それを見ながら申告書を作成することになります。
◆おすすめ記事


② 特定口座「源泉徴収なし」は申告が必要
一方、特定口座(源泉徴収なし)を使っている場合は、譲渡したときに税金が自動で引かれません。
「年間取引報告書」によって利益・損失のまとめは出ますが、あくまで計算だけしてくれるだけ。
そのため、確定申告のタイミングで、
「年間取引報告書」を入手して、確定申告書に含める必要があることを忘れないようにしましょう。
また、譲渡損が発生した場合の扱いについては、
特定口座(源泉徴収あり)と同じで、いずれにしても確定申告が必要になります。
ちなみに、副業の利益や譲渡益の合計が20万円以下の場合、
確定申告をしなくていいという所得税のルールがありますが、これは基本的に会社員の話。
個人事業主さんの場合は事業所得の確定申告を行う必要があるため、
そのときには譲渡益が20万円以下であっても、確定申告書に記載する必要があります。
◆おすすめ記事


③ 一般口座は自分で計算して申告が必要
あえて一般口座を選ぶ人は少ないと思いますが、一般口座で譲渡益が発生した場合は、
すべての取引を自分で確定申告書に記入して、申告を行う必要があります。
もちろん取引明細は証券会社から出力することができますが、
それを確定申告書に転記するのは本当に大変…。
なお、一般口座であっても特定口座と同じように、
譲渡損が発生した場合は3年間繰り越せたり、他の証券会社の譲渡益と相殺ができます。
ただ、これも年間の取引をすべて申告書に記載することが大前提…。
わたしのお客様でも、過去に一般口座で取引を行っていたものの、
年間の取引件数があまりに多過ぎて、少額な損失を繰り越すためだけにやるのは時間の無駄と判断し、
申告書への記載を断念した方がいます。
もし利益が発生している場合は、この作業から逃げられませんので、
個人事業主さんで一般口座を利用する場合はくれぐれも注意しましょう…。
◆おすすめ記事


NISA口座で譲渡した場合は申告不要
去年あたりから投資をはじめた人は、
圧倒的にNISAの口座を使っていることが多いと思います。
その最大の特徴は譲渡益がすべて非課税ということ。
つまり、譲渡益が出ていたとしても、そのままお金が入ってきて申告は不要です。
ただ、譲渡益に税金がかからないことの裏返しとして、
譲渡損が発生した場合も、翌年以降に繰り越せたり、他の証券会社の利益と相殺したりできません。
メリットが大きすぎるのでこれは仕方ないですね…。
◆おすすめ記事


今からはじめるなら圧倒的にNISAがおすすめ!
もしこれから投資を始めようとしているタイミングなら、
2024年から新制度になったNISAが圧倒的におすすめ!
具体的な理由はコチラ👇
- 利益がすべて非課税
- 投資金額を柔軟に変更可能(最低100円から)
- 譲渡タイミングに縛りがない
- 譲渡しても確定申告が不要
- 手数料がかなり安くて、しっかりリターンを狙える投資信託に投資できる
安定感のある投資信託を選べば、将来の資産形成に使いやすいですし、
少額で始められて、運よく大きな利益が出たときも申告不要なので初心者でも使いやすいです。
「いつかは始めようと思ってるけど、投資って怖くて踏み出せない」という人も、
ぜひNISAを使って投資を始めてみましょう!
◆おすすめ記事


Q&A:投資に関するあるあるなお悩み
Q. 将来のために積み立ててるのに、取り崩すのはもったいない…
A. たしかに投資した金額を取り崩さずに積み立て続けていけたら理想です。
ただ、どうしてもお金が必要なタイミングでは、将来のことよりもまず目の前の生活が一番大事!
Q. 譲渡損が出たときの申告、税理士にお願いしないとできない?
A. そんなことはまったくありません!
確定申告書の作成方法を解説している動画がYoutubeにいくつかあるので、
それを見ながら作成すれば、自分でも確定申告可能です!
まとめ │ 証券口座の種類で、税務上の扱いが変わる
- 特定口座は申告がとても簡単。譲渡損が出たときは忘れずに申告しよう
- 一般口座の申告はとても大変。基本的には使わないのがおすすめ
- これから始める場合は、基本的にNISAを選べば間違いなし
